零の夜
リリーは、愛しそうに自らの腹をそっと撫でた。
「お医者様の話では、女の子だそうです。きっと、リリー様に似て美しいお嬢様に成られますよ。」


「そう。女の子なの。
そうだわ!名前を考えないと!」

リリーは、子供の様に目をキラキラと輝かせた。




その日、リリーとユアは、もうすぐ産まれるであろう子の名を、一日中考えた。


皆に愛され、美しく聡明な子に育つよう、願いながら。

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