零の夜
意識が朦朧となる中、リリーは、この世のものとは思えぬ強い光を見た。










「・・リー様ッ、リリー様ッ!!気を確かに。もうじき産まれますよ!」

声のした方に、ゆっくりと目線をむけた。
医者や助産婦、メイド達が慌ただしく出産の準備を整えていた。


そんな中ふと、左手に温もりを感じた。
見ると、目を真っ赤に腫らし今にも泣き出しそうなユアがいた。

「リリー様ッ。申し訳ありません。私が、あの時ッッ・・・・あの時席を外さなければッ」

リリーは、ユアの手を優しく握り返した。
「大丈、夫ですよ。あなたのせいではありまッッア゙ァァァァァァァァァァッ!!!」

握り返された手に、恐ろしいほど力が込められた。
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