遅咲きの恋
「っ……」


言葉なんて出なかった。

だって、長く一緒にいて。

貴方の気持ちに初めて気が付いたんだから。


「俺の方が、優輝なんかよりお前を愛しているのにっ……」


ストレートなその言葉が胸の真ん中に突き刺さっていく。
それと同時にドクンと脈が打った。


「りょ……や……」


やっと出せたのは貴方の名前。
でも、それすらも満足に言う事が出来なかった。

頭の中が、心の中が。

もうゴチャゴチャで。

何を想っているのかとか全く分からない。

ただ言えるのは。

貴方の言葉に胸が高鳴ったという事だけだ。


「俺は……お前が好きだった。
高校の時から、今でも、ずっと……」


震えるその声は私の耳を刺激する。
頭の中には貴方の言葉しか入って来なくて。
もう何も考えられなかった。
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