遅咲きの恋
今日は高校生の時に仲が良かったメンバーと居酒屋に飲みに来ていた。
稜也以外、高校は違うが私たちの間には確かな絆があった。

独身最後の夜を過ごすにはピッタリのメンバーだ。
まさか私が1番乗りだとは思わなかった。
とは言え、27歳だから早いとは言わないが……。

何はともあれ、明日は私の結婚式だ。
ココにいる皆は勿論招待しているし、2つ返事で参加の意思を伝えてくれた。


「って言うかよ……お前、飲みすぎじゃねぇか?
せっかくの晴れ舞台なのに顔がブクブクにむくんでも知らねーぞ」


厭味ったらしい笑みを浮かべながら私をからかう雅人にベーッと舌を出す。


「雅人こそ、明日のスピーチ緊張しすぎて倒れないでよね!!」

「誰が緊張するか!!」


私と雅人はいつもの様に睨みあいながら言い争う。
すると慣れた様に亮祐が私と雅人の間に入ってくる。


「まあまあ、メデタイ夜に喧嘩はナシだ。な?」


亮祐の爽やかな笑みに私も雅人も何も言えなくなってしまう。
そして、どちらからともなく『ごめん』と謝っていた。


「あーあ……ってか!何でこの場に優輝(ゆうき)がいない訳!?
アイツだって主役じゃーん!!」


酔っているのか顔を真っ赤にしながら翔は大声を出す。
周りの迷惑になる、と心配したが周りは周りで騒いでいる為心配なさそうだ。


「来れないかもとは言ってたが本当に来ないとはな……。
優輝の奴、こんな時くらい来いよなー」


『大丈夫か?』と亮祐は私を気遣ってくれる。

皆が言う優輝とは私の結婚相手だ。
優輝は私と稜也の高校に転校してきて、そこから仲良くなった。
高校の時からずっと付き合っていて自他ともに認めるバカップルだった。
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