遅咲きの恋
私と優輝は長く一緒にいすぎたのかもしれない。

お互いが大切で。
何よりも愛しくて。

だけど。
大事にし過ぎて、色々なモノが零れ落ちて行った。


「……気付きたくなかった……」

「悪い……」


哀しそうな貴方の声に、首を横に振る。

気付きたくなかったのは本当だ。
でも、それ以上に。


「気付いてよかった」


そう思えるから。
だから、謝らないで。

謝らないといけないのは私の方で。
でも、謝れない。

稜也の想いを否定するような言葉を。
言いたくなくて。

だから。


「……ありがとう……」


ずっと傍にいてくれて。
ずっと想っていてくれて。
大切な事に気が付かせてくれて。

ありがとう。
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