遅咲きの恋
「……」
「稜也……?」
無言のまま握られた手。
すぐ隣に座っている彼の顔を見るけれど。
やっぱり何も喋ろうとはしなかった。
「……ねえ」
「……何だ」
「飲もうか」
「……は?」
「どうせ、冷蔵庫にビール入ってるでしょ?」
「……ああ」
何度も来たことがある稜也の家。
自炊している形跡は全くないのに、ビールだけはいつも切らさずに置いてあるんだ。
「じゃあ決まり!飲む!」
「……分かった」
言い出したら聞かない私。
それを分かっているからこそ稜也は何も言わないんだ。
立ち上がる為、私の手を離そうと力が緩む。
だけどそれはすぐに強く握りしめられた。
「お前も来い」
「え?いいけど……」
一緒に立ち上がって冷蔵庫へと向かう。
ずっと繋がったままの手のひら。
少し疑問に思ったけれど。
特に考える事も無く稜也の背中を見つめた。
「稜也……?」
無言のまま握られた手。
すぐ隣に座っている彼の顔を見るけれど。
やっぱり何も喋ろうとはしなかった。
「……ねえ」
「……何だ」
「飲もうか」
「……は?」
「どうせ、冷蔵庫にビール入ってるでしょ?」
「……ああ」
何度も来たことがある稜也の家。
自炊している形跡は全くないのに、ビールだけはいつも切らさずに置いてあるんだ。
「じゃあ決まり!飲む!」
「……分かった」
言い出したら聞かない私。
それを分かっているからこそ稜也は何も言わないんだ。
立ち上がる為、私の手を離そうと力が緩む。
だけどそれはすぐに強く握りしめられた。
「お前も来い」
「え?いいけど……」
一緒に立ち上がって冷蔵庫へと向かう。
ずっと繋がったままの手のひら。
少し疑問に思ったけれど。
特に考える事も無く稜也の背中を見つめた。