初恋の彼が、割と重度のフェチ持ちでした
「さて……」

柊ちゃんは立ち上がり、私のとなりに腰をおろした。


「キスしていい?」

「へっ」

柊ちゃんは照れる様子もなく、むしろどこか余裕のある顔でさらっとそう聞いてくる。


「さっきから感じていたけど、柊ちゃんて結構積極的だね」

「今まではそうでもなかったんだけどな。なずながわりと消極的だからかな。あと、なずな見てると、かわいくてなんか困らせたくなっちゃう。積極的に迫られるの、やだ?」

「ううん、やじゃないよ……」

私がそう答えると、柊ちゃんの右手が私の頬に触れ、そのまま口づけられた。


深い深いキス。息をするのも苦しい。


そしてその場にやさしく押し倒された。


柊ちゃんの右手が、私のスカートをそっと捲り、太ももの結構きわどい位置を撫でた。


「ひゃっ。あ、あの柊ちゃん……するの?」

思わずそう尋ねると、柊ちゃんは私の太ももを撫でる手を止め、少しの間無言でなにかを考えるようにしたあと、


「……いや、やっぱやめとく。したいけど、さすがにがっつきすぎだよな。なんか身体目当てみたいになっちゃうし。だから今日はまだしない。でも、少し触らせて」

コク、と私が頷くと、柊ちゃんは私の太ももを撫でる手の動きを再開させる。

その手は、そのまま胸や足の間とかに滑りこんでくる……のかと思ったのだけれど、


(……ん?)

柊ちゃんは、太もも、膝の裏、ふくらはぎなど、足を触るのみだった。触らせて、なんて言うから、もっときわどいとこに触れるのかと思ったのに。
私に気をつかってくれてるのかな?
そうだとしたら、いつか柊ちゃんが気をつかわないパートナーになれるようにしたいな。
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