初恋の彼が、割と重度のフェチ持ちでした
「じゃあ喫茶店で待ってるね」

「うん。じゃあこれ」

柊ちゃんはそう言って私に千円札をくれた。


喫茶店で待ってると、しばらくしたころ柊ちゃんがやってきてくれた。


「ごめんな。思ったより結構長くなっちゃって」

「ううん。本読んで時間つぶしてたから平気だよ」

「本なんて持ってきてた?」

「携帯で読んでた」

「ああなるほど。じゃ、帰るか」

「柊ちゃんはなにも飲まなくて大丈夫?」

「家帰ったら飲むよ」

じゃあ家に着いたら柊ちゃんに温かいお茶をいれてあげよう、なんて思いながら、私は柊ちゃんといっしょに柊ちゃんの家へと戻った。



「柊ちゃん、お茶いれるから座って待ってて」

「あー、悪いな。今日は振り回しちゃったのにそんなことまでしてもらって。じゃ、お言葉に甘えて」

私がお茶の用意をしている間、柊ちゃんは部屋のテーブルになにかを広げて、それを真剣に見つめていた。


「あ、それ今日の写真?」

お茶をいれたカップを持って柊ちゃんのとなりに行くと、それはさっき撮ってもらった写真だってわかった。


「うん。カタログに使うデータはさっきスタジオで確認してきたけど、それ以外に何枚かもらってきた」

「そっか。あ、カップどこに置こう」

「ああ、もらうよ。ありがとう」

柊ちゃんにカップを渡すと、私も彼のとなりに腰をおろし、その写真を見つめる。


「自分の足の写真見るのってなんか不思議な感じ」
< 18 / 48 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop