初恋の彼が、割と重度のフェチ持ちでした
そう言うと柊ちゃんは私の右足の甲に突然唇を近づけた。


「え⁉︎」

思わず私も、さっきの柊ちゃんみたいに大きな声を出してしまった。


だって、なに、突然⁉︎


「柊ちゃん、あの……?」

「……ほんと、キレイな足だな」

「ひゃっ⁉︎」

柊ちゃんは今度は私の右足の親指を口に含んだ。


「しゅっ、柊ちゃんなにしてるのっ‼︎ 私お風呂入ってないから汚いし……!」

そう言うのに、柊ちゃんはなにも言わずに私の指を舌で触れたり口に含んだりっていう行動をやめない。



「……柊ちゃん‼︎」

私がさっきよりも大きな声を出すと、柊ちゃんはハッとしたような顔を見せ、ようやく不思議な行動をやめてくれた。


そして私から離れ、申しわけなさそうな顔をする。


「……ほんとごめん!」

「え、いや、いいけど……」

びっくりはしたけど、付き合っているんだからそこまで嫌がることでもないと思った。
だけど、行動の理由は知りたいと思って、私は黙って柊ちゃんを見つめた。


すると柊ちゃんは、ゆっくりと口を開いてくれた。



「……俺、秘密があって」

「秘密? うん」

「……高校二年生くらいの時に気づいたんだけど」

「うん」

「……たぶん俺、変態なんだ」

「……はい?」

私が首を傾げると、柊ちゃんは続ける。


「足フェチなんだよ、俺。それも割と重度の」

「足フェチ」
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