初恋の彼が、割と重度のフェチ持ちでした
そんな特別な恋なのに、私が子どもみたいに怒って、拗ねて、スカートをはくのをやめて。…しかも、はき古したようなパンツ。そんな格好で柊ちゃんとデートしようとしたから、神様が怒ってジュースをこぼしたんだ。そんな古いパンツは脱ぎ捨てて、かわいい格好をしなさいって。


それなら……





十数分後、私は買いものと着替えを済ませ、駐車場で待つ柊ちゃんのもとへ戻った。

助手席のドアを開けると、柊ちゃんが「早かったな」と言ってこっちを見てーーそして、固まった。



「……変、かな?」

一応、自信がないから店員さんに選んでもらったんだけど。


私はさっきのパンツを脱ぎ、今買ってきた、膝丈のシフォン生地のスカートをはいてきた。



「……変じゃない!」

柊ちゃんは思わずといった感じで声を荒げたあと、コホンと咳払いして、「こめん」と謝った。


今、喜んでくれたよね? なら、やっぱりスカート選んできてよかった。


私がシートに座ると、柊ちゃんは私に言った。

「俺に気をつかってスカートにしてくれた?」

「ううん、私がはきたかったの」

「かわいい、ほんとに」

「スカートが?」

「なずなが」

「ごめん、言わせたね」

私が小さく笑うと、柊ちゃんも笑う。
そして、続けた。


「でも、せっかくなら、そのスカートに合う靴を俺が選んであげたい」

と。


「柊ちゃんが? 靴を選んでくれるの?」
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