ズボラ女が恋する瞬間
「ご飯もですけど、その、助けてくれて・・・」

「あぁ。そのことか」

「ありがとうございました。ちゃんと、お礼言えてなかったから」

「あのさ」


そう言い、三浦は立ち止まる。


「あの時、助けてって呼んだ?」


確かに助けを呼ぼうとしたが、須賀に邪魔された。

それに声が震えて、部屋の外に聞こえるような声じゃなかったと思う。


「やっぱ、気のせいか。あの時、お前の声が聞こえたような気がしたんだよな」


そう言い、三浦は自嘲的な笑みを浮かべた。


「だから、助けに来たんですか?」

「あぁ。約束したから」


約束?


『お前が助けてって言うなら、助け出してやるよ』


前にそんなことを言われた気がするが、だからって・・・

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