ズボラ女が恋する瞬間
「送るよ」


三浦の言葉に小さく頷き、並んで歩く。

それ以上言葉を交わすこともなく、だからと言って決して気まずい雰囲気な訳でもなく・・・

なんとも言えない心地良さだけが、そこにはあった。


「じゃあな」

「今日は色々と、本当にありがとうございました」


深々と頭を下げ、三浦と別れ、美緒の部屋へと戻る。


「おかえり」


部屋の中に入ると、お風呂に入った後なのか、美緒は濡れた髪をタオルで乾かしていた。


「美緒、明日には自分の部屋に戻るから」

「え?大丈夫なの?」

「たぶん、大丈夫だと思う。色々と、ありがとう」

「そう?なんかあったら、遠慮しないでいつでも来なさいよ」


そんなことを言ってくれる美緒に、心の中で何度も感謝した。

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