ズボラ女が恋する瞬間
「・・・あかり」

「そんなことより、待ってるんじゃない?新井さん。早く行きなよ」


何か言いたそうだったが、美緒はそれ以上言わなかった。


「じゃあ、また後でね」

「楽しんできて」


美緒のことを見送り、ため息を零す。

これから、どうしよう。

悩んでいると、ふと美術館のチラシが目に止まる。

昔は、よく行ってたなぁ。

そんなことを思い出し、時間つぶしに調度良いと思い、あたしは美術館へと向かった。

有名なのか?

それとも、土曜日だからなのか?

美術館は、人で賑わっていた。

独特の世界観の館内は、1人でも楽しめた。

グルグルと、館内を堪能していると・・・


「すごいね、健人(けんと)さん」


可愛らしい女性の声が耳に届く。

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