ズボラ女が恋する瞬間
「お前は、どうするんだ?」


不意に、三浦に振られる。


「あたしは、みんなが来るかもしれないから会社に出ます」

「そうか。無理はするな」


そんな三浦に、あたしは小さく頭を下げた。

そして部長と共に、自分の部署へと戻る。

そこに、田村さんの姿はもうなかった。


「田村、もう帰ったんだな」

「みたいですね。部長も、今日は帰られた方が良いんじゃないですか?奥さん、待ってますよ」


あたし達と同じように、部長もロクに家に帰って居ない。


「しかし・・・」

「あたしは待ってる人いないんで、気にしないでください。その代わり、みんなが戻ってきたら有給消化させてもらいますね」

「すまない。なら、わたしも甘えて、今日は帰らせてもらうよ」


お疲れ様でした。と部長のことを見送り、後片付けを始める。

< 182 / 253 >

この作品をシェア

pagetop