ズボラ女が恋する瞬間
残業なんて、当たり前。

みんな文句を零すが、自分の仕事はきちんと果たす。

仕事を嫌いになりそう日々だが、根は真面目で、純粋に自分の仕事が好きなのだ。

だから嫌にやって、会社を辞める人間はいない。

現にあたしが入社してから、先輩も同期も後輩も仕事から逃げた人間は居ない。

今頃、みんな戻って来るきっかけを待っているだろう。

そして、明日には大半のメンツが戻って来る。

たぶん田村さんも部長も、そう思っているだろう。

戻って来たら、どんなに大変だったか文句を言ってやる。

そして、またみんなで愚痴を零しながら、残業の日々を乗り越えていく。

もう少しの辛抱だ。

そう思い、定時まで仕事をした。

< 183 / 253 >

この作品をシェア

pagetop