ズボラ女が恋する瞬間
久々に見た桜は、やはり綺麗だ。

一緒に見る人によって、感じ方が違う。

そう、誰かが言っていた。

でも、それは間違いだ。

だって嫌いな三浦と見ても、綺麗だと思えるもの。


「お前、飲めんの?」

「一応」


あたしの返事を聞くと、三浦は出店の方へと歩いて行く。

そして数分後、ビールを2つ手にし、戻ってくると1つをあたしに手渡す。


「お金」


あたしは財布を取り出そうと、鞄の中を探す。


「いいよ」

「でも」

「飲まねぇなら、捨てる」


捨てるって、ビールに罪はないじゃん。

だから、あたしは三浦からビールを受け取った。


「・・・ありがとうございます」

「どういたしまして」


特に何を話すわけでもなく、ビール片手に公園内をぐるぐる回る。

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