ズボラ女が恋する瞬間
「あの」

「お前、眼鏡かけねぇ方が良いぞ」


は?あたしは必要で眼鏡を掛けてるの!


「疲れるって言ってたけど、家でも眼鏡かけてんの?」

「パソコン使う時は」

「なら、今は必要ねぇな」


そう言い、三浦は自分のスーツの胸ポケットに眼鏡をしまう。


「返してくださいよ」

「後で返すよ」


後でって、いつだよ。

あたしは心の中で、盛大のため息を零す。

でも、いつぶりだろう。

眼鏡を掛けないで、外を歩いたのは・・・

何が違うのか?うまく言えないけど、世界が違って見えた。


「なんか食う?」

「食べるより、もう一杯飲みたい」


フッと、三浦は小さな笑みを溢す。

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