ズボラ女が恋する瞬間
「俺のこと、好きにさせる」
そう言い、あたしにキスを落とした。
突然のことに、あたしは驚きを隠せない。
三浦はゆっくりと離れると、小さな笑みを浮かべた。
「そう言うことだから、よろしく」
よろしく?はぁ?
意味、わかんないだけど!
三浦はさっき奪った眼鏡をあたしに掛けると、何事もなかったように歩き出す。
頭が付いて行かないあたしは、ただその場に立ち尽くす。
そんなあたしに、三浦が声を掛けた。
「お持ち帰りしても良いんだけど、お前ってこともあるし、今日はちゃんと送って行くよ」
いや、頼んでないから。
それに三浦の意味のわからない提案を、飲んだ覚えはない。