ズボラ女が恋する瞬間
頑張られても、困るんですけど!

これ以上言ったところで、この男は必ず言い返してくる。

どうせ、すぐに飽きるだろう。

文句を言うから、言い返したくなる。

反対されるから、強行したくなる。

なら、何も言わなければ飽きるだろう。

そう思い、それ以上言うのを止めた。

それから特に会話をすることもなく、家まで送ってもらった。

帰り際に・・・


「じゃあ、また会社で」


またって、もう会いたくないんですけど!

出来れば、一生会わなくても・・・


「ありがとうございました。さようなら」


軽く頭を下げ、一方的にマンションの中へと向かった。

部屋に入るなり、一気に疲れに襲われる。

もう、今日は寝よう。

寝て、全て忘れよう。

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