ズボラ女が恋する瞬間
恐怖の日々
あの日から、約10日が経った。

三浦からのアプローチは、特にない。

それより三浦のことなんて忘れるくらい、あたしは自分のことで困っていた。

その日の仕事を終え、時間を確認すると21時を過ぎていた。

一緒に帰ってくれる人もいなければ、こんな時間に迎えに来てくれる人もいない。

前までは深夜の残業も気にならなかったのだが、1週間前に自宅のマンションに来た、切手もない手紙にあたしは悩まされている。


『浮気はダメだよ』


パソコンで打たれた文字に、相手の宛先も無ければ、名前もない手紙。

まさか、彼?

そうとも考えたが、何年も連絡さえ寄越さない男が、わざわざ来て、こんな手紙を残して帰るだろうか?

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