ズボラ女が恋する瞬間
恐怖から体は震え、変な汗までかく。


「シカトすんなよ」


そう言い、相手はあたしの前に回り込む。


「・・・三浦さん」


相手の顔を確認し、安堵のため息をついた。


「脅かさないでくださいよ」

「お前、顔色悪いぞ」

「三浦さんが、脅かすからじゃないですか!」


三浦は、そんなあたしのことをジッと見る。


「なんですか?」

「いや、何かあったのか?」


別に、今は何もない。


「別に」

「そうか?俺には、何かに怯えてるように見えるけど?」

「それは、三浦さんが急に声を掛けて来るからですよ」


でも、三浦で良かった。

もし見ず知らずの人だったら、それこそ怖すぎる。

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