ズボラ女が恋する瞬間
「美緒も、余計なことしなくて良いからね」


あたしは、美緒に釘を打つ。


「あたしはあの男より、大翔推しだから」

「・・・美緒」


あたしは、小さなため息を零す。


「男いるんだ」

「彼氏って名前の付いた男は居るけど、彼氏って呼べない男だけどね」

「なんだ、それ?」

「遠距離になって5年経つんけど、その間の4年半は1度も連絡取り合ってないの」

「余計なこと、教えないで!」


言われて困る話じゃないが、知られて良い気もしない。


「それ、自然消滅してんじゃねぇの?」

「大翔も、そう思うでしょ?でも、あかりは健気に待ってんのよ」

「・・・待ってないし」


待ってる、わけじゃない。

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