ズボラ女が恋する瞬間
「もう、ホントにあたしの話は良いから!帰る」

「ごめん、そう怒んないで」

「怒ってない」


本当に、怒っているわけではない。


「ありがとうございました」


お礼を口にし、あたしは車から降りる。


「どういたしまして。健気なお嬢さん」


美緒から話を聞いて、絶対バカにしてる。


「本当に待ってませんから!彼のこと」

「なら、俺と付き合ってくれる?それからでも良い。好きなってくれるのは」


は?

なんで、そうなる?

全然、話の展開がわからないんですけど!


「やっぱり、あたしの目は間違ってませんでした。絶対に、三浦さんのことは好きにはなりませんから!失礼します」


そう言い捨て、あたしは美緒のことも待たずに、美緒の家へと向かった。

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