ズボラ女が恋する瞬間
「ねぇ、大翔。本気で、あかりのこと好きなの?」


あかりの背中を見ながら、美緒が真剣な眼差しで三浦に尋ねる。


「好きかって聞かれたら、わかんねぇ。アイツのこと、まだ全然わかんねぇし。でも、気になってる。女として」

「そう。・・・でも、あかりのこと傷つけるのだけは止めてね。相手が悪くても、あかりは自分のこと責めるから」


過去のあかりを知って居る、美緒の言葉には重みがあった。

それを、三浦も察した。


「わかった。約束する」

「ありがとう。じゃ、またね」


そう言い、美緒もあかりの後を追った。


「俺が本気で好きになっても、アイツを落とせる自信ねぇわ」


三浦は、盛大なため息を零していた。

そんな2人の会話も知らなければ、三浦が最後にそんな言葉を残していたことさえ、あたしは知らない。

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