ズボラ女が恋する瞬間
美緒の家に帰り、お風呂を済ませ、2人で缶ビールを開ける。


「まさか、あかりと大翔が知り合いだったとは」

「知り合いと言うか、ただ担当が三浦さんなだけで」

「ただの担当が送ってくれるんだ〜」


美緒の言い方だと、凄く意味深に聞こえるんですけど!


「いつもじゃないし」

「ふ〜ん。でも、良いじゃん。大翔」

「何が」


何が良いか、あたしにはさっぱりわからない。


「付き合ってみたら?」

「は?なんで?」

「あの男から離れるきっかけになるかもしんないじゃん」


きっかけ、か。

でも、それって三浦のことを利用するってことでしょ?

自分のために、誰かを犠牲にして、その先に幸せがあるとは思えない。

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