小さな花 〜あなたを愛した幸せな時間〜
「ナナ‥俺達、絶対幸せになろーな!」


サトルが私に微笑みかける。


「うん…!」



頷く私。


「俺、お前と別れてものすげぇ後悔した。前にナナと付き合ってるときは自分が傷つくのが怖くて、逃げてた。」


「‥サトル‥‥」


「俺、もう自分に嘘つかねぇよ!だから、毎日デートして毎日ラブラブで過ごそ−な!」


サトルはクシャクシャの笑顔でそう言った。


「これからは遠慮しねぇよっ!覚悟しろよっ!」


その言い方がまた少年ぽくて可愛くて笑ってしまった。


「うん…私もきちんとサトルのこと見てなかった‥サトルのこと‥見ないようにして逃げてた‥ごめんね‥」


きっと前に付き合ってたときもサトルは今と同じように私を想ってくれてたはず‥。

なのに私は目を背けて傷つくのを恐れて周りを傷つけてた。


でも‥


こんな私の凍った心を溶かしてくれたのは‥ハルトだった。


ハルトがいて‥
ハルトに出会って‥

そして恋をしたから‥

私、サトルと今向き合えるんだよ。


ハルトと出会ったこと、
無駄じゃなかったよね?




サトルと歩んでいく未来にも
ハルトと過ごした時間は

必要だったんだよね?


私は今も‥そう思ってるよ‥




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