小さな花 〜あなたを愛した幸せな時間〜
「ナナ〜!もぉいいよっ!サトルと回ってきなよ!」


ヤヨはそういって私が持っていた『お題カード』をひょいと取り上げた。


「ヤヨ〜!いいの?」


「いーよいーよ!もうナナの係りの時間終わったからっ!行っといで〜!」


私はヤヨに見送られて『ジェスチャーで伝言?』会場の私たち1ー6の教室を後にした。



「ん〜?サトルはどこだ?」


サッカー部のたこ焼屋さんの手伝いをするって行ったきりのサトルを探す。

たこ焼屋さんの会場は…どこだっけ?

調理室…は家庭科部がパスタ屋さんをしてるってさってマユが言ってたし…。

そう。

マユも他校の彼氏、タケシが来ていて嬉しそうにあちこち回ってる。


よく見てみればあちこちカップルだらけ…。


結局サッカー部は玄関前の廊下という地味〜な場所でたこ焼屋さんをしてた。


やっと見つけたのにサトルの姿がない。


あれれ…行き違いかな?


ウロウロしているとサッカー部の人に声を掛けられた。


「あれ…?サトルの彼女だよね?」


サトルの親友のリョウくんだった。
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