小さな花 〜あなたを愛した幸せな時間〜
謝ったはいいけれどなんとなく気まずい空気…。


「……」


軽く沈黙……。



それを破ったのはサトル。



「ホントにナナは照れ屋だな!お母さん!ナナさんは照れてるだけなんでッ!」



オイ…。



サトルはひとりでペラペラと話し、私はポカンとしたし、お母さんもペースを崩されて吹き出してしまった。


「ふふ…面白い子ね。これでもナナ、最近とっても柔らかい表情になったわ。あなたのおかげかしら?ありがとうね?サトルくん。」


お母さん…そんな風に感じてたんだ…。


「これからもホントにこの子のこと、ヨロシクね。」


「ハイッ!任せてくださいッ!」


…それからサトルはお母さんが私を心配しないようにやたらと配慮してくれるのだった…。



「じゃあかけとく。」



私はお母さんに電話をしながらいつの間にかお母さんとの距離が近くなっていること、それは全部サトルのお陰だなぁ…なんて思った。


サトルには本当にいろんなものを貰ってばかりだな…。



私がサトルに与えてあげられるものって、何があるだろう…?






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