小さな花 〜あなたを愛した幸せな時間〜
サトルにはちゃんと付き合い始めてすぐのころになんとなく「家にいづらい」って話してた。


居場所がない気がしていることも…。


でも具体的なことを話す勇気はなかった。
中でもオトウサンの暴力は絶対言えなくて…。


誰にも言ったことはない。


でもそういう私の気持ちを想ってはお母さんにあんなことを言ったんだと思う。

少しでも私がお母さんと打ち解けて過ごせるように。
その背中を押してくれたんだと思う。



本当に本当にサトルは私のこと想ってくれてるんだなぁ…そう思うと少しずつ心が温かくなってくる。

トゲトゲがなくなって心がまぁるくなっていく気がする。


ねぇサトル…。


ありがとうね。




田口くんの家に着くと田口くんとヨウくんが二人で買い出しに行った。

田口くんは私服に着替えヨウくんも服を借りて着替えたんだ。


二人が帰ってくるまではみんなが私たちに集中攻撃だった。


「おまえら別れたんじゃねぇの??」

「いつのまにかラブラブなんすけどー?」


男の子達が口々にサトルに質問攻め。

サトルは特に答えるでもなく笑ってごまかしていた。


そして、私も…。





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