小さな花 〜あなたを愛した幸せな時間〜
【なんでだめなの?】



そのメールから全ては始まった。





あれから1ケ月がたつ頃、ようやくナナコを気遣うだけの余裕が出来た。

そして、考える。

何てメールすりゃいいんだ?


【元気出せよ】?
…無理に決まってんだろ…!


【今、何してた?】?
…ナンパかよ。


【最近どう?】?
…元カノへのメールじゃん…。


どれもこれもしっくりこない。
ナナコが立ち直るまではほっとけない―――そんなこと思っておいて自分が立ち直れずにいた。

何かしててもふいにシュンのことを思い出してしまう。
あいつは俺の親友だった。

…だった。

…だった…?
過去形かよ!


違う。
今でも親友だ!


あいつは俺の親友だ!


心からそう思える。


中学からつるんでいた仲間のひとりだったけど、一番気も合ったしわかり合えた。


なのにシュンというその個体は、今この地球上のどこをどう探してもいない。

そう思うととても不思議でさえあった。



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