小さな花 〜あなたを愛した幸せな時間〜
ただ、今回のことで心がまいってて甘えてるのかな…とも思った。

それならそれでいい。

ナナコが立ち直れるなら。



しかし…。



ある日決定的なメール。



【今日髪がボタンにからまって痛かった〜!】



髪が、からまる…?


あの短い髪が…?


さすがの俺もこれは別人だ、と気付いたのだった…。


それでも俺は“ナナ”とのメールをやめようとは思わなかった。

なんでだろう?

よくわからない。

女の子は好きだし、いつも通りの行動と言えばそうだが。
だけど何か違って。

やめなかった…というより、
やめられなかった…。



俺は“ナナ”にどんどん興味をそそられた。



少しいじわるして“ナナ”にメールを送った。

会いたいから。

会ってみたくていじわるをした。


“ナナ”はすぐに謝ってきたけれど俺は怒ってなんかいなかった。
“ナナ”とのメールは楽しかったから。

シュンのいなくなった心の穴を少しずつ埋めてくれる小さなもの。

決して元には戻らない大きな穴を少し楽にしてくれる。



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