小さな花 〜あなたを愛した幸せな時間〜

ふたりの“ナナ”

それからナナとはメールだけじゃなく電話もするようになった。

久しぶりに楽しいと思える時間。


ナナは―――

すげぇガキなんだけど変に大人びてたり。

別にフツーなのに可愛かったり。


あれ?
俺、ハマってる…!??



だけどいくらなんでもこんな俺もナナコのことを忘れていたわけではない。

もう一度ナナコが店のナプキンに書いてくれたアドレスを探しだし(これがかなり苦労した。結局なぜか使いもしないのに置いていかれたタウンページの間にはさまっていた…)

間違えていたところを入力し直し、ナナコにメールを送った。


でも
さすがにもう【死んだらダメだよ】とは送りづらく、【連絡遅くてゴメン。大丈夫か?】に変えた。


ナナコからの返信は驚くほど早かった。
待っていてくれたのだろうか…?
こんな俺のメールを…?


【やっぱり辛いよ。でも、頑張るから!】


思ったより前向きなメールでホッとした。

それからナナコからのメールは毎日のように来るようになった。
日々上がり下がりはあるものの、少しずつ立ち直りつつある―――…
そう思っていた。


しかし―――…


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