小さな花 〜あなたを愛した幸せな時間〜
ようやくナナコのアパートについたのは昼前だった。


焦って鍵を落としながらもナナコの部屋の前に辿り着く。


俺はドアをたたくと思わず叫んだ。


「ナナちゃん!?オイッ!開けるぞ!?」


返事を待つ気は初めからなかった。

ノブを回すと鍵はかかっていなかった。

部屋に上がり込むと蛍光灯の下、ナナコが倒れていた。


「ナナちゃん!?オイ!ナナコ!!」



俺はまじでビビってた。
焦ってナナコの腕を掴んだ。


―――――血!?


ナナコの手首から血が流れている。

マジ…かよ…!



「ハ…ルト…く…?」



ふいに聞こえた声。


―――生きてる!!


俺はホッとするのと同時に怒りがわき上がるのを必死に抑えた。


「…何やってんだよ…!」

生きたくても生きられなかったひとがいる…!


「ゴメン…なさい…」


わかってるだろ…!?
シュンの想い…
シュンはこんなことしても喜ばねぇんだよ…!!


「ゴメン…ね…」


俺は泣いていたかもしれない。


シュン…。



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