小さな花 〜あなたを愛した幸せな時間〜
「着いたよ〜!下りる?」

夜景スポットとは言うものの平日の夜は人影もまばら。

昔、実は1人でよく来てた。
辛いこととかあると来ちゃうんだよな。
俺、意外とロマンチストだし?


それはさておき、俺は1人で来ていたときのようについ癖でスタスタといつもの特等席に向かった。


「…よく来るの?」


ナナが後ろから息を切らしながら追い付く。

ヤベ。

つい自分のペースで歩いてしまった。



「昔ね!」
軽く答える。


「昔?…彼女とぉ?」


……?

ナナ……?


突然聞かれて戸惑ったものの…

ひょっとして…これは…



―――ヤキモチ…!?



「…ははっ!」



俺は嬉しくなってついつい笑ってしまった。

もしかして…ナナも俺のこと…!?


そんな俺のことをナナは不審げに見つめている。


ヤバい。


1人でフライング?




< 181 / 416 >

この作品をシェア

pagetop