小さな花 〜あなたを愛した幸せな時間〜
長い長い電話の末ナナコは明るい声で電話を終わらせた。


「よかった!本当によかった…!」



電話の“ツー…ツー…”という音をケータイ越しの聞きながら、俺はひとり放心状態だった。



どうしたんだ?

どうなったんだ?

何だっけ…?



ああ…そうだ。

俺はナナに電話をかけようとしてたんだ。

そして想いを伝える…


伝える…


伝えるつもり、だった…。


でも今、それは叶わない。

現実。


俺はナナコを突き放せなかった…

シュンの子を闇に葬るなんてこともちろん出来なかった。



もう…

進む道は選択の余地はない。

ひとつだけ。
ここにしかない。


ただひとつの一本道だけ…。


選ぶ道は残されていない……





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