小さな花 〜あなたを愛した幸せな時間〜
……はぁっ!??


何もしないの?って…
つまり…?


「…!しねぇよ!だいたいお前妊婦だろ?」


…本当はそんな理由じゃない。
でも言えない。
もっともらしい理由をつけた。



「…別に…大丈夫なのに…」



ナナコはそう言うと「おやすみ!」と背を向けた。

暗くて見えなかったが布団とパジャマのこすれる衣擦れの音がしていた。





翌日。

朝から晴天の日曜日。
ナナコは遊園地に行きたいと行った。


「妊婦なのに…?」


昨日からコレばっかりだな…俺。


「いーの!激しい乗り物なんて乗らないし!観覧車とか乗るの!」


そーですか。


俺はナナコを車に乗せるとこの辺では1つしかない遊園地へと向かった。





“行かなければよかった…”





俺は心底そう思ったよ。


ナナ…


お前の傷ついた顔なんて見たくなかったよ…

お前の傷ついた顔なんて見たくないのに…そんな顔させたのはこの俺だなんてな…



俺はサイテイだな……





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