小さな花 〜あなたを愛した幸せな時間〜
次の日からハルトとは普通のメル友のようにくだらないことやTVの話、そんなメールのやりとりをした。



【今日はスペシャルドラマがあるね】


とか


【今日ピンクのちょーカワイイ鏡を買ったよ】


とか



ほんとに他愛のない内容。



ハルトはいつも優しかった。
私のくだらないメールにも付き合ってくれたし、心が不安定になるといつも“大丈夫だよ”“俺がいるよ”そう、繰り返してくれた。


私たちはすぐに打ち解けていった。

…ううん。
ハルトは私を別のナナさんだと思ってるんだから…

私だけがすぐに打ち解けていった…が正しいのかも知れない…。





私はハルトの歳も、住んでいる場所も知らなかった。

"シュン”の話もしないようにしていた。


シンデレラの魔法がとけてしまわないように‥‥。


私のついた嘘がバレないように‥‥。          


いつも怯えながら…





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