小さな花 〜あなたを愛した幸せな時間〜
ナナのカオ。
傷ついたナナの表情を見てしまった俺の心は揺れる。
もう選ぶ道はないと自分で決めたくせに。
そのくせどうにも押さえきれないほどの胸の痛み。
俺よりナナの方がずっとずっと傷ついてるかもしれないのに…。
…ナナ。
ちゃんと家に帰ったかな…
…大丈夫…だよな…?
……
でも……万が一……
その思いに俺は考えるより先に立ち上がっていた。
車のキーを手に取ると部屋を飛び出した―――。
よかった…
ナナの家の前。
見上げた2階の部屋には灯りがついていた。
あれは映画を見に行った日だった。
家まで送り届けたナナは2階のあの部屋から笑顔で手を振ってくれたっけ。
あの日、怖い映画を見た俺たち。
“怖い怖い”と連発するナナに俺が言ったんだ。
“部屋に入るまでここで待っててやるから”
そしてナナは家に駆けていった。
そして…
あの窓を開けて俺に手を振ってくれたんだ。
そんなことを思い出しながら俺は来た道を引き返す。
ついナナの家の前まで来てしまった自分が少しストーカーのような気がしてしまう。
傷ついたナナの表情を見てしまった俺の心は揺れる。
もう選ぶ道はないと自分で決めたくせに。
そのくせどうにも押さえきれないほどの胸の痛み。
俺よりナナの方がずっとずっと傷ついてるかもしれないのに…。
…ナナ。
ちゃんと家に帰ったかな…
…大丈夫…だよな…?
……
でも……万が一……
その思いに俺は考えるより先に立ち上がっていた。
車のキーを手に取ると部屋を飛び出した―――。
よかった…
ナナの家の前。
見上げた2階の部屋には灯りがついていた。
あれは映画を見に行った日だった。
家まで送り届けたナナは2階のあの部屋から笑顔で手を振ってくれたっけ。
あの日、怖い映画を見た俺たち。
“怖い怖い”と連発するナナに俺が言ったんだ。
“部屋に入るまでここで待っててやるから”
そしてナナは家に駆けていった。
そして…
あの窓を開けて俺に手を振ってくれたんだ。
そんなことを思い出しながら俺は来た道を引き返す。
ついナナの家の前まで来てしまった自分が少しストーカーのような気がしてしまう。