小さな花 〜あなたを愛した幸せな時間〜

もしかして聞こえなかった…？

「ｵ〜ｲ！聞こえて…」

「全っ然わかんねぇ！意味わかんないよ？ｷﾐ。おまえら付き合ってたの？ﾅﾅちゃんは？ﾅﾅｺちゃんはｼｭﾝとお前の二股かけてたんか？」

ﾀｸﾄは一気にいろいろ質問してきて頭の悪い俺には覚えきれない。


「う〜ん…話すと長くなるんだけど…いいっ？」


「あぁ。」


俺は大きく息を吸い言った。
自分も驚いたことを人に話すことは同じドキドキがよみがえる。


「ﾅﾅｺ、妊娠してんだよ。」


「ヤったのか…？」


静かに聞くﾀｸﾄ。


「ちげーよ！」


反対に声が大きくなる俺。

「…違うんだ…。……ｼｭﾝの子だよ。」


「……ｼｭﾝの！？？」


本日３回目の驚き、出ました。
でも中でも１番の驚きであることは間違いない。

ﾀｸﾄはしばらく言葉を失っているようだった。


「…ｼｭﾝの…」

ひとり呟く。

「そうなんだ。」

ひとりで確認するように。

そして我に返ったように聞く。


「で…なんでお前が結婚することになるわけ？」


「だから―――…それは…」