小さな花 〜あなたを愛した幸せな時間〜
マユと校門でバイバイした帰り道。

私とサトルは肩を並べ、手をつなぎ、白い息をはく。

もう辺りは真っ暗。



「寒いね〜…」

「…ねぇ〜…」

会話も途切れ気味。

「…ははは…」

「…へへっ…」

意味不明の乾いた笑いまで出るふたり。



実はこれ、さっきのマユの話が原因。

マユの話。

それは……。




「クリスマスイブの夜、ナナとサトルふたりで外泊して!」




というトンでもないものだったのだ。
モチロン私たちは再び絶叫し、ハモったのだけれどその理由がまたトンでもない。



「実はさ、私んち親、外泊にはウルサイんだよね。だから親にはナナと泊まりでディズニーランド行くーって言っちゃったんだよねぇ〜…テヘヘ。」



テヘヘ…って!
笑ってる場合じゃないから!!



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