小さな花 〜あなたを愛した幸せな時間〜
「だからお願いっ!ナナは私とお泊まりってコトで親には説明して…サトルとふたりでどこかに泊まっちゃいなよッ!」



マユはいたずらっ子みたいに笑った。
悪びれない様子に怒る気にもならない。
つられて笑ってしまう程。



「…てなことでヨロシク〜!クリスマスイブはふたりの初・体・験・記念日ね〜!!」


「マユっ!」


私の声をよそにマユはさらっとそう言うと「バ〜イビィ〜!」と教室からそそくさと逃げ出したのだった…。







私たちはそんなこんなでヘンに意識し合ってしまい気まづく帰り道を歩いているのだ。

マユのやつー!

サトルを一緒に待ってるなんて言うから何かおかしいとは思ったけど…。

…まさかあんな話とは…。


さすがマユ…突拍子もない性格。
予想できない発想と思惑だ。



「……ナナ。」


「ん?」


「クリスマスイブのことなんだけど…」


「……うん…。」


サトルの切り出しに胸のドキドキが速くなる。

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