小さな花 〜あなたを愛した幸せな時間〜
サトルと歩くクリスマスイブの街。


お母さんの言葉を思い出して少し笑った。

オトウサンが自分を心配してくれてることが改めて嬉しくて。

本当はその心配をよそにサトルとお泊まりしようとしてることを反省しなきゃいけないのに、なんだか笑えてきて…。



「ナナ、さっきから何ニヤけてんの〜!?えっちぃ〜」


笑う私に気付いたサトルがからかった。



「え〜!何よ、えっちってぇ〜!もうっ!」



私はふくれてプイとよそを見る。

そこにはキレイなイルミネーション。

キラキラ、キラキラ、瞬いて輝く。



「ごめん、ごめん!」



サトルは笑いながら繋いだ手を大きく振った。



「…今ごろマユたちはディズニーランドかぁ〜!いいなぁ〜!」



私はわざと言う。
本当はサトルも私をディズニーランドに連れていってくれようとしたんだけど、あまりにも突然すぎて先立つものがなかったのだった。


「うわっ!ソレ言う〜?俺これでも頑張ってお金かき集めたのになぁ〜!」


「わかってる!ウソウソ!ごめんねサトル!」


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