小さな花 〜あなたを愛した幸せな時間〜
誰かな?


私は何の気なしにメールを開く。

名前が表示されない。
登録している相手ではない。

そして…

そこに表示されたメールアドレス。
きれいに並んだアルファベットたちに見覚えがあった。


……ウソ……。


そう。

それは…

忘れもしない…


ハルト―――その人だった。


アドレスを消しても忘れられなかったそのつづりたち。

でもそれをケータイに入力することは今まで1度もなかったけれど…。

…したくても出来なかった。


だって、

なぜなら…

それをハルトが望んではいないと思っていたから。


【もうメールしないで】


その言葉を受け止めるしかなかったから…。


私は震える手でメールを開く。
震えてるのは寒いからなんかじゃない。
心がザワザワと震えているから。
胸が壊れるくらいにドキドキしているから…。



そのハルトのメールが表示される…。



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