小さな花 〜あなたを愛した幸せな時間〜
「…なにこれ?…なんだっけ…?」


私は自分が作ったであろうその料理を目の前に、ただ立ちすくんでいた…。


自分で作っておいてなんだかわからない…。

…たしかドリアだった…よね?

でも…そうは見えない…。
せいぜいグラタンにしとけばよかった。

そんな私の後悔を知る由もないハルト。
向こうの部屋でサッカーを見ている。

「おぉ〜っ!!」
「ああぁ〜…」

時折聞こえる歓声と落胆。
その能天気な様子が羨ましい。

…すっごく幸せなんだけど…今すっごくピンチです…。


でも…仕方ないし、
まぁいいかっ!!!


開き直って料理を運んでみた。


「出来たよぉ〜っ!」


「おぉ!」


ハルトは嬉しそうにテーブルの上の料理を眺めてる。

“…イヤ…きっとマズイよ?”
そんな言葉を胸に恐る恐るハルトにスプーンを手渡した。



「いっただきまぁすっ!」
「…いただきマス…」

2人で多少の温度差はあるもののなんとか合掌。

ハルトがドリアを一口、くちに運ぶ。


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