小さな花 〜あなたを愛した幸せな時間〜
『ナナへ』



初めて見る、ハルトの字。

思ったよりキレイ…。
現実のこの状況を受け止められずにそんな呑気なことを思った。



『ナナへ

 ナナ、ゴメンな。
 俺、ナナコのとこ行ってくる。
 必ずレンラクするから、
 待っててな。』




…ハルト…。

待っててって…。

待ってて、いいの?

私たちの未来に希望はあるの…?




私はそのハルトからの初めてのラブレターを胸に抱き締めた。

最初で最後の悲しすぎる、ラブレターを…。







結局、私は朝までそこにいた。

…というより気付くと朝だったと言う感じ…。

眠れることはなく、ただ呆然とベッドに腰をかけていた。




5時を少しまわったところでケータイが鳴る。


「――ハルト!?」


私はケータイに飛び付くと画面も見ずに通話ボタンを押すとハルトの名前を呼ぶ。


「もしもしっ!?ハルト!」


「……ナナ。起きてたの?今、どこ…?」



沈んだ声に不安が募る。



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