小さな花 〜あなたを愛した幸せな時間〜
でもそこで足が止まった。


私…バッグ持ってないじゃん…。

財布もケータイも全部バッグの中。


しかも私が今着ているのは制服。


…無理だ…。


一回家に帰って、また来よう…。


私は気持ち悪さも忘れ、ただ夢中で家に帰った。











やっとの思いでなんとか手に入れた検査薬を手に、私は家のトイレにいた。


家に戻るとまだ誰も帰ってきていなかった。

好都合だった。

怖くて、知るのも怖くて、でも迷ってるヒマなんてなかった。


みんなが帰ってくる前に…!


説明をさらりと読むと私はそれに従う。


箱に書かれている待ち時間を待つこともなく、


そこには


くっきりと、


妊娠を示すラインが、



浮き出ていた…。





「……う…そ……」






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