小さな花 〜あなたを愛した幸せな時間〜
「ねぇ〜!ひとり〜?こんな朝になーにやってーんのー?」


人通りのない早朝の道を1台の車が横付けして走ってくる。


窓を開け、男がこっちに話しかけてくる。


「無視ぃ〜!さみしぃーじゃーん?」


歩く速度を変えようともせず、
振り向こうともせず、

ただ前だけ見て歩く。


知らない人の相手するほど心に余裕なんて、ない。


それでもへこたれることなく話し続ける男。



「あーそぼーよー!」

他を当たってください。

「さみしそーだよー?」

関係ないじゃん。

「俺がいるよー?」

………!


足が止まる。


“俺がいるよ”


きっと何気なく言っただろうその男の一言に、私は心を鷲掴みにされた。


ハルトも…。

ハルトも、そういってくれたよね…。



「おっ!遊ぶ気になったぁ?とことん付き合うよ〜!」




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