小さな花 〜あなたを愛した幸せな時間〜
「あぁ〜っ!もしかしてケーカイしちゃってる系〜!?」

…なんじゃそりゃ…。


ヨースケのそのくったくのない姿に流石に少しだけ警戒が薄れた。


「ん〜!…じゃあ車の中飲みにすっか!俺の車広いし!」


…車、か…。

車なら、まぁいいか…。


私たちはコンビニでお酒を買うとヨースケの車で飲み始めた。


車は公園に停めた。


その公園はハルトと初めて会った、あの公園…。


さすがに胸がチクンと痛んだけれどいつまでも避けては通れない…。


私はハルトを振り切りたくて大して強くないお酒を飲み続けた。


すべて忘れられるものなら、忘れたい…。

そう思った直後に考え直す。

そしたら幸せだったことも消えちゃうじゃん…って。

それはイヤ…。


やっぱり、忘れない…って。




「あ〜…眠た…」


大分飲んだ私は目の前がクラクラしてきていた。


「少しでも寝な〜!シート倒していーよ!」


そう言ってヨースケがシートを倒してくれた。

その時ものすごく接近したヨースケ。

近いよ…っ…!

少し焦ったけどヨースケが何かしてくる様子はなかった。

私はすっかり安心して睡魔に負けた…。



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