小さな花 〜あなたを愛した幸せな時間〜
あるのはひとつだけ。
たったひとつの日常の風景。
お夕飯の始まる少し前。
ごはんの支度をしているお母さんと
寝転び新聞をめくるお父さん。
ささいなこと、小さな私にはわからない何かでケンカが始まった。
ガシャーン…!
お父さんがテーブルをひっくり返した。
「子供の前でやめてください!」
お母さんのヒステリックな声。
私は怯えて泣く。
そんな私を連れ出すお母さん。
外に出てお母さんの背中におぶわれ、近くの喫茶店に行った。
ようやく泣き止んだ私に優しい声。
「ナナ、何か食べよう?」
なぜか大嫌いなカレーを指差す。
「いいの?ナナ、カレー嫌いだよね?」
お母さんの声にいやいやと首をふる。
私はその嫌いなカレーを目の前にしてもくもくと口に運んだ。
味なんて忘れた。
お母さんは何も食べずに私のことを見つめてる。
「ママも食べる?」
私はお母さんにスプーンを差し出す。
「おいしいよー!」
そう言って…。
たったひとつの日常の風景。
お夕飯の始まる少し前。
ごはんの支度をしているお母さんと
寝転び新聞をめくるお父さん。
ささいなこと、小さな私にはわからない何かでケンカが始まった。
ガシャーン…!
お父さんがテーブルをひっくり返した。
「子供の前でやめてください!」
お母さんのヒステリックな声。
私は怯えて泣く。
そんな私を連れ出すお母さん。
外に出てお母さんの背中におぶわれ、近くの喫茶店に行った。
ようやく泣き止んだ私に優しい声。
「ナナ、何か食べよう?」
なぜか大嫌いなカレーを指差す。
「いいの?ナナ、カレー嫌いだよね?」
お母さんの声にいやいやと首をふる。
私はその嫌いなカレーを目の前にしてもくもくと口に運んだ。
味なんて忘れた。
お母さんは何も食べずに私のことを見つめてる。
「ママも食べる?」
私はお母さんにスプーンを差し出す。
「おいしいよー!」
そう言って…。