小さな花 〜あなたを愛した幸せな時間〜
「…そうですか…わかりました。残念ですが…手術は早いうちがいいですからね。」


先生は私のことを責めたり、怒ったりはしなかった…。

それが余計に心に重く沈んだ。

静かに後悔を促されているかのようだった。

でもそれは私の勝手な想像…。


「…はい…」


返事を返すと先生はうなずいた。


「とにかく今の赤ちゃんの大きさを見てみないといけないから。」


そう言って私に内診室へ行くように言った。


看護婦さんに案内されて行ったその部屋にはおかしな椅子とカーテンだけがあった。


「下着を取ってこの椅子に座ってくださいね。」


看護婦さんが出ていくと私は言われたままに下着を取ると椅子に座った。

なんとも座り心地の悪い椅子だった。



バスタオルをかけられ椅子がまわる。

ゆっくりとまわるとカーテンに向き合う地点で止まった。

カーテンの向こうに先生が来ていた。



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